庭Cafeトーク vol.7「日本庭園に秘められた特質と魅力~冬景色を中心に~」を開催しました。
こんにちは、肥後細川庭園です。
11月14日、庭カフェトーク第7回を開催いたしました。
今回は「日本庭園に秘められた特質と魅力」と題して、株式会社植芳造園 取締役会長の井上剛宏先生に、日本庭園が持つ魅力の本質について、造園・作庭の観点からお話ししていただきました。
井上先生は、文政3年には京都で造園業を営んでいた記録が残るという家業を継がれ、日本各地はもとより、海外でも数々の日本庭園を作庭されています。
日本庭園と聞くと、枯山水や池泉回遊式庭園を思い浮かべますが、それは各時代の庭園の様式であり、造園の本質は「景をつくる」ことにあるそうです。つまり、日本の自然のエッセンスを庭園という空間に再現することが本質であり、本物の自然と見間違うほどの庭園は、現代の都市空間で非日常を求める人々の心や体に癒しをもたらしてくれるのです。
このような豊かな空間は、樹木や石など各素材の美しさだけではなく、それらが全体的に調和した「構成美」だからこそ生み出されるものです。そのためには、枝一本、石一つのもっとも美しい姿を見出す感性と、それらを足し算ではなく、掛け合わせて庭園を創り出していく技を職人さんは身につけていかれるとのことでした。
かつては、お客様をもてなす大切な場とされていた日本庭園。当園もお客様に四季折々に楽しんでいただくだけでなく、日々の中で安らぎを感じていただける景色でありたいと思いました。
ご参加いただきました皆さま、ありがとうございました。
この講座では毎回、お抹茶と季節のお菓子をお楽しみいただいています。
今回は、山茶花でした。
次回は、12月19日(木)、「日本のあかりの美学」と題して開催いたします。
どうぞお楽しみに!