庭Cafeトーク vol.5「庭へのまなざし」を開催しました。
こんにちは、肥後細川庭園です。
暦の上では立秋のものの、早朝から暑い日差しが照りつけた8月8日、庭Cafeトーク vol.5 「庭へのまなざし」を開催しました。
今回、講師としてお招きしたのは、当園を管理している西武造園株式会社の所属で、当園担当の庭師・新明雄さんと、日本庭園管理に深い見識のある井出和明さんの2名です。
新明さんは、当園専属の庭師として、ほぼ毎日、お庭に向き合っています。
芝生に生える雑草との戦い、お客様にアヤメや花菖蒲を美しいまま鑑賞していただくための花がら摘み、池や道路での落ち葉かきなど、日々の庭仕事の大変さの一方、雪景色に浮かび上がる庭園の美しさや作業中にほのかに漂う梅の香り、また新緑のモミジに生える赤い花の魅力など、庭師さんだからこそ味わえる楽しみをお話ししました。
後半は、井出さんのガイドによるお庭めぐりです。京都の嵐山の自然風景を模して作庭されたといわれる当園ですが、その景観を楽しむ仕掛けは、門から始まっていました。
正門を覆うケヤキやイロハモミジによるキャノピー効果や、中門を額縁に見立てて庭園内を鑑賞する額縁効果はお庭への期待感を含まらせます。庭園内では、様々な意図や効果をねらって配置された「役木」「役石」が重要ですが、ただ置けばよいのではなく、剪定の施し方などにも美しい景色を保ち続けるための技と配慮が必要だそうです。
さらに、日本庭園おける「水」の重要性について、当園内に作られた滝を実際に見ながらお話ししました。
私たちが何気なく美しいと感じる日本庭園の裏には、様々な仕掛けや工夫を凝らした先人たちの知恵があり、さらに、日々それを支え続けてきた庭師さんの丁寧な仕事があることを実感しました。
暑い中、熱心にご質問いただきましたご参加の皆さま、ありがとうございました。
この講座では毎回、お抹茶と季節のお菓子をお楽しみいただいています。
お菓子は「朝顔」でした。
今回は、初めての試みで、冷たい抹茶をラインアップに入れさせていただきました。
さらに試行を重ね、喫茶でのご提供に向けて検討していきます。
庭カフェトーク2019春夏期は今回で終了となりますが、また10月から2019秋冬期として再開いたします。
どうぞお楽しみに!