こんにちは、肥後細川庭園です。
6月22日から24日にかけて開催した「花まゆ」展は終了しました。
「花まゆ」は酒井登巳子さんが生み出した、繭を使って花を創り出す工芸品です。
愛知県を中心に全国約40か所に教室があり、定期的に講師と生徒の皆さんの作品を展覧されています。
今回ご縁があり、ここ肥後細川庭園・松聲閣での開催となりました。
「花まゆ」で使われている繭は、生糸の生産過程で破棄されるくず繭だそうです。
何とか使い道はないだろうかと手を差し伸べて生まれたのが「花まゆ」だそうで、一枚一枚、繭を丁寧に加工し、整えていく作品は、美しさはもちろんのこと、蚕と人が紡ぎだす生命力にあふれています。
花びらはもちろん、茎も葉もすべて、繭によって作られています。
近くで目を凝らしていても、本物と見まごうばかりの精緻で繊細な造りです。
熊本の大名家だった細川家ゆかりの土地での開催ということで、なにかこの地にちなんだ花を、とお願いしたところ、なんと酒井さん自ら、大きな肥後椿の作品を作ってくださいました。
江戸時代に熊本の武士によって生み出された「肥後六花」うちの一つ、肥後椿の力強さと優美さが伝わってきます。
あいにくの雨に降られた日もありましたが、毎日大勢のお客様にご来場いただきました。
ご来場の皆さま、ありがとうございました。
興味を持たれた方は、花まゆのホームページに展覧会や講習会のお知らせが掲載されています。
下記のリンクからどうぞ。
花まゆ ホームページ
こんにちは、肥後細川庭園です。
本日より「熊本県の近代蚕糸業展」が始まりました。
6月24日(日)まで、2階・山茶花の間でパネル展示を行っています。
DVD「長野濬平~近代養蚕業の開祖~」は1日2回、10:00~と13:00~に上映しています。
ドキュメンタリーとドラマが融合したわかりやすい内容になっています。
入場無料ですので、どうぞご覧ください。
今回の展示は“熊本県の近代蚕糸業の開祖”と称えられた長野濬平(ながのしゅんぺい)の生涯を中心に、幕末から昭和初期にかけて栄えた、熊本県の養蚕・製糸業について、わかりやすく解説しています。
長野濬平と言っても、熊本県以外の地域では、あまりなじみがないかもしれません。
長野濬平は、幕末に横井小楠の塾で実学(実際の役に立つ学問)を学び、『養蚕富国論』を著しました。
熊本では、名君と謳われた細川重賢公の時代に養蚕が奨励されましたが、その後は次第に衰退していったそうです。
明治に入り、藩知事に任命された細川護久公によって横井小楠の塾を出た人たちが新藩庁に登用され、殖産興業などの新しい政策を実施しました。
濬平は養蚕が盛んな上州などの地域に視察に出かけ、人材育成に力を注ぐ一方、県内に養蚕・製糸の施設を設立し、県内の蚕糸業発展に力を尽くしました。
その人生は苦難の連続だったと言われています。
熊本城の前には、横井小楠を中心に、細川護久公や坂本竜馬、勝海舟など、明治維新で活躍した偉人達の銅像が設置されています。
台座には小楠の高弟6名のレリーフがあり、向かって右から二番目に長野濬平が描かれています。
もっと知りたい方・興味を持たれた方は、会場にリーフレットを置いていますので、どうぞお手に取ってご覧ください。
山鹿市のホームページからもダウンロードできます。
<山鹿市 近代の山鹿の偉人たち ホームページ>
http://www.city.yamaga.kumamoto.jp/www/contents/1281667313180/index.html
今回の展示におきましては、
山鹿市、および「長野濬平先生顕彰の集い」様に多大なご尽力をいただきました。
この場を借りて御礼申し上げます。