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夏の音色 江戸風鈴

こんにちは、肥後細川庭園です。

 

7月に入り、どんどん蒸し暑くなってきました。

そんな中、涼を誘うチリーン、という音色が聞こえると、「あら?」とほっと一息ついた表情をされるお客さまも。

はい、風鈴を吊るしました。

こちらはすべて、篠原風鈴本舗さんの江戸風鈴です。

「江戸風鈴」という言葉は、昭和の中ごろに生み出された、いわばブランドのようなものだそうです。

ただし、ガラスを吹いて作る製法は江戸時代から職人さんたちに受け継がれてきた、伝統の技。

風鈴の玉の下の切り口が、キザキザになっているのが見えますか。

ギザギザでないと、風が吹いて中央のガラスの部品が当たっても、滑ってしまって音は出ないそうです。

江戸風鈴は、型に流し込んで作るのではなく、一つ一つ職人さんが息を吹き込み、切り口を切って作るので、同じものは生まれません。

だから、一つとして同じ音の風鈴はないとのこと。

同じ絵柄、同じ大きさに見えても、まったく違う音が出ます。

 

こちらの赤い柄は、江戸時代から伝わる伝統的な絵柄で、昔は魔除けの意味もあったのだとか。

松の反対側には…

宝船が描かれています。

これは「宝船を待つ(松)」という縁起物。

江戸っ子の粋を感じます。

 

蛍の柄の風鈴を下から見上げると…

空の青さが映って、まるで川面に戯れるホタルの群れを眺めているようです。

 

改めてこうした絵柄を見ていくと、当園やその界隈には、今もこうした風流を感じるスポットがあるなあ、と実感します。

 

当園のすぐ近くにある関口芭蕉庵や、ホテル椿山荘東京の庭園と併せてご覧いただくと、さらに趣が深まるはずです。

 

なにはともあれ、当園へおいでの際は、松聲閣へぜひお寄りください。

風鈴の音色でお迎えします。

 

 

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