こんにちは、肥後細川庭園です。
新春寄席ふたたび!
昨年の「さくらウィーク」にもご出演いただいた、金原亭龍馬師匠をお迎えし、
「松聲閣寄席~春の笑い満開!」を開催しました。
定員をはるかに超えるお申し込みをいただいた今回の寄席。
あいにくの大雨で、どうなることかと思いましたが、大勢のお客様においでいただきました。
春らしいピンク色のお着物で登場の龍馬師匠。
今回のさくらウィークについてのお話から始まり、面白おかしい世間話を楽しんでいたと思ったら、いつの間にか1つ目の噺「人形買い」が始まっていました。
落語に詳しい方でしたら、「ああ、始まったな」と思われるのでしょうが、素人には、まるで魔法のような話術。
龍馬師匠によると、その日どのような噺をするのかは、会場の広さやお客さんの入り具合、雰囲気や反応を見て、その場で決めるのだそうです。
「人形買い」は、長屋のみんなで持ち寄ったお金で、初節句のお祝いを買いに行く役目をおおせつかった二人が、なんとか安く買い叩いて、残ったお金で一杯やろうと画策するが…という内容。
これからの季節にぴったりで、普遍的に身近な内容の演目に、会場は爆笑の連続。
2つ目は「四段目」。
芝居好きの小僧が、さぼって芝居を見に行ったことを主人に知られ、罰として蔵に入れられます。空腹を紛らわせようと、見てきたばかりの「忠臣蔵」の四段目を演じたところ…という内容。
オチが見えているのに、笑いが止まりませんでした。
「忠臣蔵」の四段目、と言えば、塩谷判官の切腹のシーンが有名。
モデルとなった浅野内匠頭長矩が切腹したのが、西暦の4月だったので、桜の花が咲く時期が連想され、こちらもこの時期にふさわしい演目です。
「忠臣蔵」は、当園の名前の由来にもなり、かつてこの地に屋敷を構えた肥後細川家とも少なからず関わりがあります。
「忠臣蔵」のモデルになった討ち入りで有名な赤穂浪士のうち、大石内蔵助(良雄)はじめ17名は、討ち入り後に幕府の処分を待つ間、熊本藩にお預けとなりました。
そして、現在の港区高輪にあった細川家の下屋敷で切腹したのです。
同じ細川家の下屋敷跡だった当園で、そうしたゆかりの深い演目が選ばれたことに、粋(いき)を感じました。
龍馬師匠、参加者の皆さま、ありがとうございました!
今年の「さくらウィーク」は今日でおしまいですが、春の嵐に負けず、桜はまだ花を咲かせています。
来週は、散りゆく桜の風情をお楽しみください!