月: 2016年12月

こんにちは、新江戸川公園です。

18日の日曜日、松聲閣の集会室では、お正月に向けた松竹梅の盆栽教室が開催されました。
午前の部と午後の部で各10名の定員ですが、通常4,000円の参加費を3,000円と抑えめにしたこともあってか、キャンセル待ちが出るほどの人気です。

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講師は、国営昭和記念公園の盆栽苑から、鈴木英男さんをお招きしました。
鈴木さんは、この世界では有名な、我が国の超一流コレクションを収蔵する高木盆栽美術館や皇居の名品を手がけておられる職人さんで、数年前にオランダで開催された国際園芸博覧会にも招聘されたという経歴の持ち主です。

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本日の材料はこちらです。
花芽がたくさん付いた立派な梅と、松・笹・南天・菊の、お正月に相応しい組み合わせです。
土を使う作業なので、床にこぼれたりしないよう、このような器の中で行うようにしています。

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道具も本格的で、使いやすそうなものが準備されています。

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まずは鈴木先生が、作業の流れを実演しながら説明します。

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盆栽の配置は左右対称や直線になるのを避け、常に不等辺三角形になるよう心がけます。

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まずは、梅の根崩しを行います。
竹串を使って崩してゆく際のコツを学びます。
一見簡単そうですが、実際にやってみると結構時間がかかります。

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梅を鉢に据え付けます。
ここで大切なのは、盆栽は必ず前に向かってお辞儀をするように、僅かに傾けることだそうです。
盆栽がふんぞり返って見えるようではいけませんからね、と、鈴木先生はユーモアを交えて教えてくださいます。

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梅の根は、針金でしっかりと結わえて固定します。

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余った針金の先は、隣の松や南天の根に差し込んで、同時に固定すると安定します。

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土を流し込んで竹串で突きながら、根と馴染ませてゆきます。

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苔をのせてゆきます。
ここでは奥行き感と立体感を出すために、苔を使って「山並み」や「けもの道」を表現します。

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実演が終わると、さっそく各自で取りかかります。

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鈴木先生は各テーブルを回って、一人一人に丁寧なアドバイスをしてくださいます。

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うまくできたようですね。
ぜひ写真に撮ってくださいと促されましたので、背景に鈴木先生を入れて撮影してみました。

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みなさんの自信作が一同に並びます。

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生徒さんによる水やり風景です。

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鈴木先生による水やり風景です。盆栽の修行では「水やり3年」と言われるほど繊細な仕事だそうです。

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盆栽教室が終わり、作品を大切そうに袋に入れて玄関を出てゆかれる皆さんをお見送りした、あるスタッフの言葉が印象に残りました。

「みなさん、とても幸せそうな表情でしたね!」

 

それではまた!

こんにちは、新江戸川公園です。

華やかなライトアップが終了して、1週間が経ちました。
庭園内の木々は、少しずつ冬支度を始めているようです。

玄関広場山茶花
そんな中で彩りを増しているのが、山茶花の花です。
こちらは松聲閣前で、たくさんの花を咲かせています。

玄関前山茶花2

一方こちらは、松聲閣の和室前に、遠く熊本から取り寄せて植えられた「肥後山茶花」です。

肥後山茶花2
肥後山茶花3肥後山茶花の特徴は、花弁は一重の大輪で、花芯が大きく立派なことです。
花はちょうど今がピークで、まだまだ蕾もたくさんありますから、これからもお楽しみいただけると思います。

肥後山茶花1

そして、くまモンがお出迎えをしてくれる松聲閣の玄関を入るとそこには……

肥後菊 (5)
こちらも肥後六花の一つ、肥後菊が展示されています。

肥後菊2
肥後六花は熊本の武家社会で生まれた伝統園芸で、細川藩中興の名君・重賢公が、武士の精神修養と品性向上のために栽培を奨励したことに始まります。

肥後菊 (1)このため、育て方には厳しい決まりがあり、まず前菊、中菊、後菊の列ごとに育てる高さがあり、定められたか数の枝を、定められた形に伸ばし、定められた数の蕾が付くように仕立てます。

その時期や手順も1812年のテキスト「養菊指南車」に従って日々の管理作業を行います。このテキストは、肥後菊の管理の勘どころを24節期毎に解説した図入りの栽培秘伝書で、個々の花を鑑賞するのではなく、花壇全体の調和した美の鑑賞を目的として栽培することを最も重要視しています。

夕方には寒さの中を、外国からの若者が松聲閣の見学に訪れてくださいました。

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聞くと早稲田の学生さんだそうで、日本語はまだ少ししか話せないようですが、SAMURAIの精神修養の花と聞いたとたんに、畏敬の表情となりました。

でも、最後に記念撮影をお願いしてみると、いつものこんな感じとなりました。

肥後菊外人客

肥後菊は、今月の23日まで展示していますので、まだご覧になっていない方はぜひお越しください。

それではまた!

こんにちは、新江戸川公園です。

本日は大変穏やかな日で、お昼過ぎから、たくさんのお客様がご来園になりました。

先週に引き続き、午後2時から、松聲閣ガイドボランティアの皆さんによる「秋の紅葉ガイドツアー」が開催されました。ガイドボランティアの皆さんは、6月から毎月勉強会を重ね、晴れてこの日を迎えました。

DSC_0951先週のガイドでは、松聲閣で開催されたミニ講座「細川家でつながる東京と熊本」の講師、青木学芸員より、「ガイドさんたちは、大変詳しく勉強されていることに驚きました。私も参考にさせていただきました。」との嬉しい講評をいただきましたので、本日の担当ガイドさんも、一層気合が入ります。

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お客様はガイドさんとともに池泉回遊式庭園を一巡りしながら、今を盛りに色付いた1本の紅葉に足を止めています。遠くからはイロハモミジに見えるのですが……

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……これは見事なドウダンツツジですね。思わず足が止まるのも頷けます。

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さらに歩みを進めると、こちらのモミジも見事です。
やはり足が止まります。

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そしてこちらが、本日のお勧め一番です。
以前にもご案内した、江戸時代からこの地で細川家の人々を見守り続けてきた、都内で最も美しいと称賛された、株立ちのイロハモミジです。

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松聲閣を守っているような、頼もしい風景ですね。
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樹冠を見上げれば、新江戸川公園の紅葉の最後を飾る、花火の尺玉の下にいるようです。

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さて、今度はライトアップです。
そろそろ夜の開園時間となりました。
本日はオープニングセレモニーの時と同じような、大勢のお客様の行列ができています。
遠くから近くからお越しいただき、ありがとうございます。

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株立ちのイロハモミジも、ご覧のように、夜の庭園で一番の威容を示しています。

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全く風のない園内では、池の水面が鏡のような景色を映し出しています。

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多くのお客様から、水の底がとても深く見えて、幻想的ですね! とのご感想をいただいています。実際の水深は、腰の高さ程度なのですが……不思議です。

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新江戸川公園「秋の紅葉ライトアップ」は、いよいよ明日が最終日です。
見どころぎっしりの、夜の池泉回遊式庭園。
皆様のご来園をお待ちしております。

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それではまた!

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