刀剣講座「一流研ぎ師による刀剣研磨の実演」
こんにちは、新江戸川公園です。
刀剣講座の2日目です。
午前中は刀剣鑑賞会の2回目で、前日と異なる部分は、人気の「之定」の行列スペースを確保したことと、各刀剣の解説を最初にまとめて行ったことです。
刀剣鑑賞会への参加経験は昨日同様、ほとんどの方が初体験です。
興味深かったのは、前日の雰囲気が始終、名刀に対する畏敬の念でピンと張りつめていたのに対し、本日は名刀に親しみたいという緩やかな雰囲気を感じました。
そして午後の部は、阿部先生による刀剣研磨の解説と実演です。
今回は、昨日以上に専門的な座学から始まりました。
鉄の歴史、日本刀の構造、鉄に含まれる炭素量と用途、日本刀に欠かせない玉鋼を製造する ”たたら製鉄” の技法など……「折れず曲がらずよく切れる」日本刀を目指した先人の知恵が、次々と紹介されてゆきます。
続いて、刀剣研磨に用いる砥石の紹介です。
下地研ぎ用、仕上げ研ぎ用など、極めて多種多様な砥石を駆使することがわかります。
こちらは道具類です。
そして研磨作業の工程解説です。
各工程について、画像で丁寧に解説していただきました。
いよいよ、会場を和室に移して、研ぎの実演が始まりました。
こちらは下地研ぎです。
本来であれば、極めて高い集中力が必要な作業なのですが、参加者からの質問にも、丁寧に答えていただけました。
こちらは仕上げ研ぎの『地艶」「拭い」「刃取り」の工程です。
軽妙なトークで参加者を湧かせる講師ですが、手元は極めて精密です。
刀剣研磨の作業は、下地研ぎから仕上げ研ぎまで、多様な工程を経て完成するものですが、今回は短い時間にもかかわらず、6工程もの作業を実演していただきました。
参加者のみなさんは、今回の講義と実演に大変感動されたようで、後日事務局にいただいたメールでも、「座学の内容があまりにも高度で、自分自身の勉強不足を痛感しました」との向上心あふれるご感想もありました。
これまでの刀剣講座を通じて、日本刀は、古式のたたら製鉄による玉鋼の製造に始まり、刀工、研ぎ師、白銀師、鞘師など、様々な職人の皆さんによる智慧と技術と汗の結晶による芸術だと、改めて感じました。
講師の皆様、ありがとうございました。
それではまた!